・短いですが、少し早めのペースで更新する予定です
・★★★が出たら、画面が変わります
・視点がころころ変わったり、あえてぼかしているところもあるので、わからないことがあったらコメントで聞いてきてね
これは3か月前のことです。
学校中で問答無用のキャットファイトの応酬を求める夜桜と、それと真っ向から対立するはるか先輩。
この2人が『決闘会議』でぶつかりました。
『決闘会議』では学校の方針や、ルールなどの大きなことを決める時に、その代表者が直接決闘を行います。
全校生徒、全教師の前で行われたその決闘は、息が詰まるくらい壮絶なものでした。
ボクシングのリングのようなものが運動場の真ん中に特設され、それを全員で囲む。
誰も邪魔できない。審判もいないリングの上で、2人は失神するまで闘うデスマッチ形式で激突しました。
噛みつき、首絞め、急所への攻撃、何でも許されたこの闘いでしたが、闘いは想像を絶する長期戦になりました。
お互いに絶対にギブアップしないし、立ち上がり続ける……
顔や胸やお腹が痣だらけになるほど、拳をたたき込み合う。
お互いが失禁するほど首を絞め合う。
全校生徒を代表するほどの2人の美女の闘いは、その壮絶さも相まって見るものすべての心を惹きつけました。
夜桜のお尻に敷かれて苦しむ先輩が、頑張って足を持ち上げて夜桜の首に絡ませようとする姿に、私は声を枯らして応援していたのを覚えています。
先輩が窒息する間際、その足が夜桜の首に絡まり太ももで絞め返しました。手に汗を握る最後の絞め合いの末、2人が達した結末は―――
両者同時失神
泡を噴いてどちらも全く動くことができない2人は、病院へ搬送されました。
その時刻深夜2時。
結局、数日早く退院した夜桜が引き続き校内の実権を握り続けることになり、今の喧嘩ですべてを解決するというルールが続いています。
夜桜に一歩及ばなかったものの、敗北したわけではない先輩からは、
「両者が合意した時だけ決闘ができる」という部分のみが受け入れられることになりました。
こうして2人の闘いは痛み分けで終わったわけですが、その対立は今も続いています。
この決闘の結末を踏まえ、生徒の間ではこう呼ばれています。
‘’終わらない決闘会議‘’……と。
私が先輩のファンになったのは、その時でした。
はるか先輩はめちゃくちゃ強いので、そもそも決闘を挑まれても何も困らない人です。
先輩が闘うのは、私のような喧嘩が好きではない人達のため。
たぶん、私と同じ理由で先輩を好きになった人は多いじゃないかな。
★★★
寧々「って来ないのかよぉ!!」
寧々が隣の家から、叫んでいるのが聞こえた。寧々の家に行くって言っちゃったけど、今日は何だかどっと疲れていた。制服のままベッドにうつ伏せに倒れ込む。
寧々「知ってるんだよ!もう帰ってるって!」
顔を枕に埋めたまま、お尻のポケットに入れていたスマホを取り出す。
何か初音から連絡が来てるかも……あれ?LINEってどれだ
寧々がバンバンと窓のそばを叩いた。
寧々「せっかくいろいろ準備したのに!プロレス、ガチタイマン、レズバトル、ローション相撲、何でもできるよ!!久しぶりに一戦やろうよ~~」
私はゆっくりと起き上がり、窓に向かった。ちょうど2人とも2階の部屋に住んでいて、お互いの部屋が見える。
はるか「ごめん、気分じゃなくなった」
こいつとやり合ったら、とんでもなく疲れちゃう。
寧々「なにぃ!!」
そのままカーテンをサッと閉めて、私はベッドに横になった。その後も寧々はワーワーと叫んでいたが、後に静かになり寧々もあきらめて寝たようだった。
そして、夜12時……
私は目が覚めた。
スマホの着信音が聞こえる。ハッとした。私は飛び起きて、そのスマホに飛びついた。
「初音」からの着信だ。
はるか『もしもし?初音!?どうし……』
涙声が聞こえる。
初音『はるかちゃん……ごめんね、わたし、ぐ……もう、会えないかも……ほんとどめんね……あと、んん……来週、約束してた遊園地、むりになっちゃった……ごめんね』
はるか「どうしたの急に!?今なにしてるの?」
初音「……ぐひん!ごめんね……じゃあね……はるかちゃん」
はるか「初音!?ちょっと!」
その時、ぷつっと電話が切れた。
私はあわてて何度も掛けなおしたが、初音が応答することは無かった。
何があったのか、想像もつかない。
それでもこんな様子の初音を今まで見たことがなかった。
何時間も、電話を掛け続けた後、それでも繋がらない。
何とか初音と連絡を取りたい……それでも電話が繋がることはなく、流石に疲れた私はいつの間にかベッドに座ったまま、寝てしまった。
その朝だった。私はある衝撃で目が覚めた。
窓の外から誰かが飛び込んできたみたいだ。
私はベッドに押し倒された。全身で体が押しつぶされ、大きなおっぱいが顔に当たって苦しい。
寧々「大変大変!!テレビつけてテレビ!!!」
はるか「んぐぐ……んぐ……ぷは!」
この声と意味不明な行動は寧々だ。
私の上に乗ったまま、テレビのリモコンを探してつけようとしている。
はるか「……どいて……んぐ!降り……なさい」
寧々「今日は学校中止!!大変なんだって!!」
しつこいので、頬っぺたを掴んでひねり上げた。
寧々「いてて!いいからみるの!!見て!!!」
私の両方の頬が掴まれた。
はるか「あいたた!!何を!?」
顔がテレビの方へ向けられる。
逆さまになったテレビが視界に入ったが、内容は読み取れた。
『女闘美高校で殺人事件 容疑者は同高校の「姫咲初音」』
- 2020/01/27(月) 19:47:56|
- ハイスクールナイト|
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コメント:3
さくら様、更新お疲れ様です。
気になってみたら・・・
えっとえっと・・・まず、今回は殺し合いと言っても殺すはないと思っていたんですよ。
私ね・・・
( ゚Д゚)つうかへっ?いや御免。もうよく分かりません!!
続き続き!!マジでその展開?へっ?今までの中で一番分からなくなりました!!
いや、さくら様だからしっかり纏まるのは分かるのですが・・・
うむ。とりあえず寧々ちゃんが良いな~ということで、寝て待ちますね(笑)
(慌てなくて大丈夫ですよ。冗談ですので)
しかしこれは全く予想外だったわ・・・
- 2020/01/27(月) 21:07:42 |
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- 裏行戯 #mQop/nM. |
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