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さくらのキャットファイト小説

マイナーなフェチであるキャットファイト(女同士の喧嘩)の小説を投稿していくブログです! 意見・感想なんでも言ってください!

ハイスクールナイト Part4

・短いですが、少し早めのペースで更新する予定です
・★★★が出たら、画面が変わります
・視点がころころ変わったり、あえてぼかしているところもあるので、わからないことがあったらコメントで聞いてきてね


明らかに激しい喧嘩の数が増えている……
夏の日差しを受けながら、ポケットに手を突っ込んで学校に向かっている途中にまた喧嘩が目に入った。
過剰なまでの殴り合いと絞め合い。

明らかに誰かの力が働いている。

寧々「ちょっとちょっと!ちょっと~!なんで置いていくのよ!一緒に行こうって言ったじゃん!!」

はるか「おえっ!はな、せ……」

後ろから寧々が抱き着いて、胸を締め上げてきた。馬鹿力め……
あれだけ大声で呼んだのに起きなかった癖に。

私は寧々に絡まれながら、今日も教室へ向かっていった。


美里「は~い。今日も楽しんでお勉強しましょうね」

無意識にノートにシャープペンシルをつんつんしながら、私はその顔をじっと見ていた。
先生もねぇ……
いつもと変わらないはずのその笑顔が、寧々からの情報を聞いた後だと違って見える。
もし本当に先生同士でやりあってるとしたら、理由は何なんだろう。

寧々「男だよ、絶対」

お尻をつんつんされながら、ヒソヒソ声で寧々がささやいた。心を読まれたかのようだった。

はるか「先生モテそうだしね」

この学校では揉め事があった場合、決闘での解決が可能だ。それに関しては、本人同士の合意があればそれで問題ないと私も思ってる。
だけど夜桜の掲示する方針は過激すぎていた。お互い深手を負うほどの潰し合い。それを強要する彼女のやり方に、私は納得できない。
しかもあいつはそれを楽しんでいる。

はるか「ふぅ……」

今、この授業中にも窓の外に目をやると決闘は行われていた。学校の砂場で制服のまま絡み合っている。
ごろごろとつかみ合ったまま、砂場を転がり合って顔にパンチを打ち合っている。
その決闘はすぐに決着がついた。片方の子が上になったときに、腕を首に押し当てて喉を絞めていた。
負けた子が何度か痙攣して体をピクピクとさせた後、動かなくなる。

ここ最近では見慣れた光景だった。

美里「峰岸さ~ん」

窓から先生の方に目を戻した瞬間、目の前に先生の顔があった。先生があらかじめ出していた指が、ぷにっと頬っぺたにささる。
目の前に大きな谷間が見えた。

はるか「んうっ」

美里「は~い、授業に集中してちょうだいね」

いきなり綺麗な顔が見えてびっくりした。先生は絶対に怒らない。にっこりと笑顔でこちらを見ている。
そして、「ぷぷっ」と後ろで寧々が笑っている声が聞こえた。

はるか「ご、ごめんなさい」

美里「うふふ」

先生が教壇に戻っていく。モデルのような足並みだ。

寧々「あいたたたたた!!」

お尻を突いてきた寧々の足をつねって、前を向いた。
最近すごく考えることが多いなぁ。

その時だった。
昨日と同じく、またしても視界の先に初音の姿が映った。
しかも今回は他にあと2人一緒に歩いている。
1人は知らないが……あの金髪の長い髪は……夜桜だ

なんだろう、胸騒ぎがする。
私は椅子をバチンと寧々の机にぶつけて、立ち上がった。
みんなが私の方を見る。

はるか「せ、先生……トイレに行ってきます」

美里「は~い、どうぞ」

寧々「ちょっと、どうしたのよ?」

答える前に私は教室を出た。
一歩教室を出たその次の瞬間、私は初音たちのいた方向へ全力疾走した。

★★★

体育館の方向だった、初音たちが向かったのは。
私は2階の廊下を走っていた。1階まで降りていられない。

授業中かどうかも関係ない。
とにかく、一番体育館に近い窓を探す。

アレだ。

体操部に入っているだけあって、身のこなしは軽い方だ。自信はある。
私は窓を叩きつけるようにスライドさせて開けた。

風がぶあっと、廊下の中に吹き込む。
そこから私は勢いよく飛び降りた。

★★★
わたしは今、「殺し合い」をしに向かっている。
夜桜薫と、「しずる」と呼ばれている女の人。
この人たちと一緒に。

頭が、真っ白の紙のように感じる……何も考えが浮かばない。

ざざっ!!

目の前に女の人が降りてきた。見間違えるはずはない。彼女は……

初音「はるかちゃん!?」
しっかりと膝を曲げ片手をついて着地の衝撃を吸収していた。怒った顔で顔を上げる。

はるか「様子がおかしいと思ったら、やっぱりあんたに関係があったのね」

夜桜「あなたには関係ないことよ。今はね」

はるか「どういう意味よ」

2人がしばらくにらみ合ったあと、わたしの肩がガッと夜桜に掴まれた。体育館の方へ再び進まされる。

はるか「初音!?何しようとしてるの?」

涙がぶわっと出てきた。頬を伝ってそれが流れ落ちる。

初音「だめ!来ちゃだめ……」

わたしを止めようとはるかちゃんが向かって来るが、わたしの隣にいた女が間に割って入った。
問答無用ではるかちゃんと取っ組み合いを始め、手4つでぶつかっている。

はるか「初音!待って!」

そんなはるかの叫び声を聞かないように、私は体育館へ向かった。わたしの涙は止まらなかった。

★★★

はるか「邪魔しないでよ!どきなさい!」

歯を食いしばって、邪魔してくる女と取っ組み合った。

しずる「お前と一回やり合いたかったんだよね。ぶちのめす自信あったし」

こいつのせいで初音が視界から消えるところまで行ってしまった。もうあの先でどう進んでいったかわからない。
目線をこいつに切り替え、取っ組み合った手をいったん解いた。

人差し指をクイッと動かし挑発してくる。

しずる「こいよ」

私は制服を脱ぎ捨てる。
再びこいつと私はつかみ合った。

近距離で相手の太ももと腹に膝を何発もぶち込みあった。重く固い一撃が私の体にも刺さる。
調子に乗っているだけあって、そこそこは強いようだ。

打撃の鈍い音が、何度も何度も響いた。
時に頭と頭をぶつけあって、潰し合う。我慢比べだった。

ぐじいい!!

はるか「んぐうう!」
しずる「がああ!」

お互いの膝が股間に直撃しあって、激痛が流れた。一瞬の激しい痛みを受け、相手を突き飛ばし合った後、私は右足で相手の顎めがけて蹴りを放った。

はるか「んぶっ!!!」

蹴り込んだはずが、私の下あごにも相手の蹴りが入っていたようだ。見事に相打ちの形で蹴り合って、体がふらつく

体が倒れかけるところで、右腕が掴まれた。そしてこいつの太ももが前から首に絞まり、頸動脈が絞まっていく。
やばい……

ぐっとこいつが体を後ろに反らして、本気で絞めあげてきた。地面を這う恰好になる。

しずる「はぁはぁ……おしっこして、逝っちゃえば!?はぁはぁ!!」

はるか「んっ……はぁ……!」

目の前がどんどん暗くなってくる。このままだと本気で堕ちる。
私は歯を食いしばり、お尻を後ろに突き出して少しずつ立ちあがった。力だけで強引に持ち上げる……
こいつの背中が地面からゆっくり浮いて、

どごん!!

私は首を絞められたまま、こいつの頭を勢いよく地面に叩きつけた。

しずる「んがああああ!!!!」

こいつも我慢しきれず、足が緩んだ。その間に体をひねって逃げる。

はるか「はぁはぁはぁ……」
しずる「はぁ!はぁ!」

2人とも立ち上がれない時間が続いたとき、チャイムが鳴った。
私が抜けだした授業の終わりを告げるチャイムだ。

しずる「また今度殺り合おうよ。次こそ絞め殺してあげる」

ぺっと私は口に入った砂を吐き出した。
目的を果たしたのか、彼女は教室の方へ消えていった。見たことない奴だったから、恐らく同学年ではない。
初音の姿も遠くに消え、もう追いかけることはできなくなった。
初音のあの顔を思い出すだけで、何か良くないことが起ころうしているのを感じた。

私一人になった。
砂埃のついた制服を羽織って、私もその場を去った。

教室に戻ると、みんなお昼ごはんで席を外していた。
寧々だけがお弁当箱を机の上に出して、机の上に伏せて寝ていた。

寧々「おかえり~」

自分の席の前に座ろうとすると、後ろから声が聞こえた。

はるか「う、うん」

寧々「ご飯たべよ!」

こういう時何も聞いてこないのが、寧々だ。
私もお弁当を取り出して、食べ始めた。
味がしない……

寧々は黙々とご飯を食べている。
いつもうるさいほど話しかけて来るくせに……

はるか「ねぇ……」

寧々「なぁに?」

はるか「……今日、寧々ん家に行っていい?」
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  1. 2020/01/19(日) 19:40:15|
  2. ハイスクールナイト|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:1

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コメント

想像と違った・・・

まったく想定していなかった内容ですが、非常に
嬉しくあり・・・殺し合い・・・
初音さんの一瞬の想いが物凄く続きが凄く凄く
気になります・・・

勝てなくてもはるかさんのために頑張ろうと一人で
必死になっていたのか・・・
考えると気になって仕方ありませんね・・・
やはりさくら様の小説は素晴らしいです・・・

でもあまり感情入れないようにしていつもこれだもんな・・・
凄すぎますよ・・・
  1. 2020/01/19(日) 20:16:23 |
  2. URL |
  3. 裏行戯 #mQop/nM. |
  4. 編集

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