東雲大学の続きですー
いつの間にか握力を比べ合っていた2人……しかし、さっきの死闘のような雰囲気ではない。半分照れ隠しのような喧嘩だった。
その後、闘い疲れた2人はシャワーを浴びに歩いて向かった。
シャワー室は2つ道場に備え付けられている。早百合たちが入部した当時はこんなものは無かったのだが、今年のキャットファイト大会で得られた賞金を使って改築された。これはこのみの発案であり、全員が納得したものである。
その新設されたシャワー室で早百合と絵里奈が同時に汗を洗い流した。ファイティングスタイルは大きく異なるものの、スタイルは非常に似ている。このみほどではないが、大きく膨らんで張りのある胸、くびれのあるボディに長い脚、そして負けん気。そんなお互いを見て日頃から衝突することのある2人であったが、今回ほど激しく闘ったのは最初に出会った時以来であった。
血と汗と涙を流し終えた早百合と絵里奈は、闘った部屋に戻ってきた。体中の痣や傷がある両者。絵里奈は特に痛そうに足を引きづって移動している。
絵里奈「どうしますの、あれ?」
絵里奈が赤く染まった畳を指さして言う。両者の殴り合いによって付いた血の跡だった。
早百合「もう遅いだろうけど、明日拭いてみるわよ。それでだめなら取り替えてもらえばいいでしょ?今日はもう寝るわ」
早百合が押し入れから布団を引っ張り出しながら口を開いた。絵里奈も後から近づき、自分が寝るための布団を取り出す。そしてお互いに遠くまで引き離した。
お互いに「ふん!」と鼻息を鳴らし、見栄を張った。2人ともブラにパンツ一枚という恰好であった。闘った時に来ていた服は2人とも干してある。もう横になって寝ようかという時に、道場のドアがガラガラと開いた。
湊「うわ~~~~っ!派手にやり合ったんだね2人とも」
そこら中に飛び散った血を見ながら、湊が驚いた。コンビニのビニール袋片手に道場に入ってくる。
絵里奈「あら、帰ったかと思ってましたわ」
湊「えへへ、絵里奈お姉ちゃんなら上手くやると思ってたからね。このみお姉ちゃんも一緒だよ~」
扉の陰からこのみが恐る恐る顔を出した。
このみ「た……ただいまぁ」
早百合「このみ!」
その姿を見るやいなや勢いよく駆け寄っていく早百合。このみを畳に押し倒すように抱き付いた。
早百合「さっきはごめんよ、このみ……殴っちゃったところ痛くない?許して……」
このみ「ん、苦しい!大丈夫!大丈夫だから!」
絵里奈「ちょっと!!私の方が100倍殴られたのに態度が違うじゃありませんの!!?」
早百合「うっさい!あんたとは殴り合ったんだから痛み分けでしょ!」
湊「まあまあ、いいもの買って来たから。みんなで飲もうよ」
間に割って入った湊が買ってきたお酒を畳に置いた。そして素早く絵里奈と早百合が敷いた布団を部屋の中央まで引きずってきた。
湊「たまには、ね」
このみ「うん、いいと思うよ!」
このみも酎ハイを一本取り出し、布団の上に正座して座った。
湊「ほら、早百合お姉ちゃんたちも!」
しぶしぶと布団へ向かう2人。お酒を持ってどさっと布団に腰を落とす。
このみ「ふふ。そういえばこうやって話す機会、今まで無かったよね?」
早百合「まあね」
湊「へへ、朝まで飲むぞ~」
絵里奈「……」
4人が缶を掲げて「乾杯」と声を合わせる。
このみ「せっかくだからさ、この前の大会の話でもしようよ。私まだみんながどんな闘いしてきたのか知らないもん」
湊「あ、いいねー!湊が2回戦で当たったのは、生意気なロリ顔女でねぇ」
早百合「それ自分のことでしょ?」
湊「なにぉーー!」
そして飲みながらの試合の振り返りは、数時間に及んだ。それぞれの勝った話、負けた話、快感を得た瞬間、悔しかったこと、それらを語り合った。乗り気で無かった早百合と絵里奈も、酒の力もあってか笑いながら話を聞き、自らも話すようになっていた。
湊「ひっく、つぎのたいかいでは~じぇんいん湊が逝かせ倒してあげるんだからぁ~」
このみ「えへ~~~、わたしだって逝かせ合いしょうぶやっちゃうよ~~~」
このみと湊は酒に弱いようで、顔を真っ赤にしてフラフラになっていた。お互いにもう自分がやってることを覚えていないだろう。2人は服を脱ぎ69の形になって相手の乳首を舐め始めていた。
絵里奈「あはは!」
早百合「ちょっと何やってんのよ!」
このみ「んっんっんっんっ!!」
このみが逝くと同時に眠りに落ち、その胸の下で湊の顔が押しつぶされた。湊もその状態で眠ってしまったようで、体がピクピクと痙攣し始めた。
ごろん……
早百合がこのみの体を転がして、失神しかけていた湊を助けた。この瞬間、起きているのは早百合と絵里奈だけになった……
早百合「……」
絵里奈「……」
缶を片手にまだ飲み続けている2人……もう2人で殴り合ったのが大昔のことのように感じていた。静まり返った道場で、絵里奈と目を合わさずに早百合は口を開いた。
早百合「…………負けたのよ。ECF大学の紗枝ってやつに」
急な発言に一瞬驚くも、何のことを言っているのか絵里奈はすぐに理解した。
絵里奈「…………そうでしたの」
早百合「なによ、馬鹿にするならしなさいよ」
絵里奈「しませんわよ。何で隠してたのかも理解できませんわ。キャットファイト大会のリベンジをされただけでしょう?」
早百合が顔を上げた。
早百合「あんたにそんなこと言えるわけないでしょ!!もうあんたにこれ以上差をつけられるのは嫌なのよ!!!」
絵里奈「…………」
早百合「大会の最後の試合だってそうよ!あんたは2人倒したのに、私はあの女と引き分けただけなのよ!あの女に勝って、八雲に一発でもパンチを入れておけば美月さんも勝てたかもしれないのに!それなのに今回リベンジされた自分が悔しくて喋らなかったのよ!文句ある!?」
絵里奈が早百合に詰め寄った。
絵里奈「大ありですわよ!あのチームはそもそも副将の実力は頭一つ出ていて、大将はさらに抜きんでていましたわ。そのチームの雑魚2人倒しただけでよくやったと思われてる時点で、すでに心外ですわ!!だいたい!美月さんに副将に指名されてる時点で、私の方が評価は下なのよ!どれだけ悔しかったか、あなたにはわからないでしょ!!!」
早百合「あんたの方が活躍したんだから、いいでしょうがぁ!」
絵里奈「活躍したことにならないって言ってますのよ!!それに何よ!今日の私との闘いは2戦目ってことですわよね!?それでもあなたに勝てないなんて、あなたの方が上ってことでしょ!!!」
早百合「どうしてそうなるのよ!!ECFの八雲だってあんたのこと―――」
2人はその後もひたすら自分の思っていたことをぶつけ合った。
今まで力でぶつかり合うことしかしなかった2人だったが、ようやく相手を理解しつつあった。好きなだけ言い争い、息を切らし始めた時ようやく2人はお互いから顔を背けた。
早百合「とにかく……」
絵里奈「とにかく……」
早百合「絶対あんたを超えてやるから!!!」
絵里奈「絶対あなたを超えてみせますわ!!!」
どさっと座って、お酒の入った缶を握りなおす。早百合がちらっと、このみと湊を見た。
早百合「私たちで引っ張って、他のチーム全部倒すわよ。そしたらまた決闘よ」
絵里奈「望むところですわ。簡単に負けるんじゃありませんわよ」
カンッ!
2人の缶が一瞬ぶつかり合った。そして中身を飲み干す。
このみ「ちょっと~わたしたちもいるよ~」
早百合の頭にその爆乳を乗せながら、後ろから抱きしめるこのみ。いつの間にか起き上がっているのに、早百合も絵里奈も気が付かなかった。
湊「も~う、ほんとはお姉ちゃんたちお互いに好きなくせに~~」
絵里奈「あっは~~~~ん!!」
湊が絵里奈の乳首を後ろから掴み回した。
早百合「あんたたち起きてたならそう言いなさいよ!」
4人はまたひと騒ぎして夜を過ごした。
早百合「そういえば、あの女が言ってたんだけど―――
続く
- 2014/11/01(土) 14:23:50|
- 東雲大学|
-
トラックバック:0|
-
コメント:8
キャラが全員良く立ってて凄く面白いです!早百合と絵里奈の関係が微笑ましくも感じましたね。
寝る前に良いものを読まさせて頂きました。
- 2014/11/02(日) 01:34:23 |
- URL |
- ジェッターズ #- |
- 編集
ジェッターズさん、コメントありがとうございます!
たまにはこういう回もあっていいかと思ってます。
続きはまだできていませんが、美月サイドの話を書いていこうと思います。
よろしくお願いします
> キャラが全員良く立ってて凄く面白いです!早百合と絵里奈の関係が微笑ましくも感じましたね。
> 寝る前に良いものを読まさせて頂きました。
- 2014/11/10(月) 06:09:39 |
- URL |
- さくら1511 #- |
- 編集
キャラの個性を際立たせる話はいいですね。
より頭の中で具体的にイメージしやすくなります。
このみも乳攻撃だけでなく、エッチ技も使える様になったんですねw
楽しみにしています。
- 2014/11/15(土) 18:45:35 |
- URL |
- まりも #- |
- 編集
まりもさん、コメントありがとうございます!
いいですよね闘ってるだけだと、その姿しか見えてこないのでたまには別視点から見る必要があると思っています。
このみは、今回は酔った勢いでエッチ技繰り出していますが、普段は乳を使った窒息攻撃と絞めがメインですねw
> キャラの個性を際立たせる話はいいですね。
> より頭の中で具体的にイメージしやすくなります。
> このみも乳攻撃だけでなく、エッチ技も使える様になったんですねw
> 楽しみにしています。
- 2014/11/16(日) 00:54:02 |
- URL |
- さくら1511 #- |
- 編集