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さくらのキャットファイト小説

マイナーなフェチであるキャットファイト(女同士の喧嘩)の小説を投稿していくブログです! 意見・感想なんでも言ってください!

ハイスクールナイト Part6

・短いですが、少し早めのペースで更新する予定です
・★★★が出たら、画面が変わります
・視点がころころ変わったり、あえてぼかしているところもあるので、わからないことがあったらコメントで聞いてきてね


寧々にのしかかられて苦しいはずが、ショックでその重さを感じなくなった。

寧々「姫崎初音ってさ、はるかの親友の子だよね?小さくてかわいいあの……」

私は寧々の体をゆっくりと押しのけて、ベッドから立ち上がった。ニュースに表示されている内容に釘付けになった。
今起こっていることを信じられず、それ以上の情報が頭に入ってこない。

寧々がパジャマのまま、私のベッドに座って一緒にテレビを見つめた。
いつも通っている学校が、黄色いテープで封鎖されているのが映る。
2人とも一言も言葉を発せずに、ただただアナウンサーから発せられる言葉を耳に入れた。

「姫崎容疑者は被害者と決闘を行った末に、意識不明の重体に追い込んだとされています。姫崎容疑者の身柄は未だ確保されておらず、現在捜索中です……事件は―――」

身が切り裂かれるような気分だった。

報道によると昨日の夜に女闘美高校の校内で、初音と被害者の子が決闘した。その子はまだ死亡は確認されていないが、かなりの重体だそうだ。
そして初音はその決闘の場から姿を消している……と。

寧々「そんなわけないじゃん!!」

寧々が自分の膝をバンっと叩いて立ち上がった。テレビを指さしてこちらを振り向く。

寧々「あんな弱そうな子が、人を死に追い込むなんて無理だよ!」

私は頭を抱えうつむく。ボサボサの髪が真下に垂れた。

はるか「初音は私より強いよ」

寧々「えええぇえぇぇえぇ!!!?」

驚いて飛び跳ねたのが、足音でわかった。寧々は初音と話したことはない。だからそういう反応になるのは無理もない。
初音のことは知らないんだ。

寧々「この体のどこにそんな……」

目を丸くして画面を見ている。

寧々「でもそれなら……やれるかもね」

私はテレビを消した。立ち上がり寧々を睨みつける。

はるか「それは絶対に無い!!」

寧々「わかんないじゃん!そんなの!」

はるか「初音に限って人を殺そうとするなんてありえない!初音のこと知らないくせに!」

寧々「なにぉ!?人がせっかく親切に教えてあげに来たのに!」

無言のまま寧々と睨み合った。初めこそ怒っているように見えた寧々の目から怒りが消え、哀れむような目に変わっていく。
私って今、そんな顔をしているんだ……

寧々「はる・・・」

トゥルルルルルル……!

何か口を開こうとしたときに、寧々の部屋から電話が鳴った。朝7時半。この事件のニュースを見て事務所から電話もかかってくることだろう。
寧々が私に向かって手を伸ばして、髪をなでた。

寧々「はるか、ご飯食べてちょっと休みなよ。はるからしくないって」

私は小さくうなずき、ベッドに横になった。
寧々が不注意で窓枠に頭をぶつけて帰っていくのを目の端で見ながら、私は目を閉じた。

★★★

初音「じゃあ、はるかちゃん!この砂場の中で相手にギブアップさせた方が勝ちね!」

はるか「うん!でも、いいの?お腹とか殴って」

初音「大丈夫!これは訓練だからね!」

初音と出会ってからは、特訓と評して2人で闘う毎日だった。私は初音みたいに強くなりたかったんだ。

はるか「じゃあ……えいっ!」

初音「うっぷ!!!……ちょ、っょ……」

はるか「大丈夫?」

初音「へいき!へいき!鍛えてるから。じゃあわたしも行くよ!」

砂場に叩きつけられたり、絞め落とされたり、殴り倒されたり。初音には最初は全く敵わなかった。
悔しい気持ちはもちろんあったが、楽しそうに教えてくれる初音に憎悪の気持ちは湧かなかった。
やられてはぶつかって、やられてはぶつかって……ひたすら初音に挑戦していた。闘うわけだから時にはカッとなって喧嘩になることも勿論あったが、闘い終わったあとは必ず仲直りしていた。

1年・・・2年・・・・・・中学校に入っても私たちはそれを続けた。

とある特訓の日。
その日は月明かりに照らされるくらい遅くまでやっていた。やっとのことで組み伏せた初音の顔に跨って、お尻を押し付ける。もう倒れそうなくらいヘトヘトだった。両手で初音の上半身を押さえつけ、歯を食いしばる。

はるか「はぁ……はぁ……んんんんんん!!!」

力の限界までお尻を叩きつけた。攻めている私が泣くほどだった……
そのあと、ペチペチと私のお尻をタップするまでどのくらい時間がかかっただろう。

初音「ギブっ!ギブゥ~私の負け!へへっ」

負けてもうれしそうにする初音の笑顔が印象的で、どのくらい闘っていたかは覚えていない。とにかく満月が私たち2人を照らすほど長くだった。

初音の隣に仰向けになって私は倒れ込んだ。潔く負けを認めすぎて、こっちが喜ぶのも忘れていた。

はるか「はぁはぁ……強すぎだよ」

初音「はぁ……はぁ……負けちゃった~」

一歩も体を動かせなかった。いや、もう少しこうして話していたかったのだろう。

初音「強くなったね、はるかちゃん!」

はるか「……1000回くらい闘って、やっと一勝だけどね」

初音「でもだめだよ、むやみに暴力ふるっちゃ」

はるか「しないよ。そんなこと」

初音「えへへ、まあそうだよね」

私は初音の方に顔を向けた。

はるか「ねえ、前から聞きたかったんだけど、初音はなんのために強くなったの?」

「え?」と言いながら、私の方に顔だけ向けた。

初音「はるかちゃんみたいに、生きるのが下手くそな娘を助けるためだよ?」

白い歯を輝かせながら笑顔を作っていた。

はるか「ふふ、なにそれ。自分だって何の得もしないじゃん」

初音が私の手にその手を重ねた。小さいのに、この手は確かに力を持っている。初音の心のまっすぐさが、具現化しているようだった。

初音「じゃあさ、私がピンチになったらはるかちゃんが助けてよ。これならいいでしょ?」

はるか「そんな場面来るかな~」

目を閉じて必死に想像を駆け巡らせたが、何も思いつかなかった。

初音「約束だよ?」

はるか「うん……約束する」

初音「やったーーー!!お姫様になったみたい!」

初音が私の手を持ち上げて喜んだ。大きな満月が後ろに重なり、くっきりとシルエットを作っていた。

★★★

月明かりのせいか、私は急に目を覚ました。
ほぼ一日寝て休んだおかげか、落ち込んでいた心もだいぶ回復しているのを実感として感じる。
その時だった。私がお尻に敷いたまま寝ていた携帯がブルっと鳴った。
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  1. 2020/10/12(月) 02:42:21|
  2. ハイスクールナイト|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

ハイスクールナイト Part7 | ホーム | 3/16 22:00~ チャットします

コメント

これからが楽しみです

さくら様、更新お疲れ様です
事件後の回想。前回同様未だに展開がどうなるか分かりませんが、
凄く楽しみです。普段と全く違うのでよくわかりませんが、
今回の回想はある意味、ほのぼのとそして弱きを助け強きをくじく
王道の内容が良かったです。

さてこれからどうなるんだろうな~
  1. 2020/10/12(月) 04:34:03 |
  2. URL |
  3. 裏行戯 #mQop/nM. |
  4. 編集

Re: これからが楽しみです

ありがとうございます。
今後の展開にも大きく関わる回想になると思います。
次の投稿も期待していただけると嬉しいです。
  1. 2020/10/13(火) 01:49:42 |
  2. URL |
  3. さくら1511 #- |
  4. 編集

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