番外編で、クリスマスのキャットファイトを書いてみようと思います。
私の作品で初の、男が出てきて、恋愛絡みのキャットファイトです。
まだファイトまで行っていませんが、背景だけでも感じておいてください
それではどうぞ
亜佐美「ほのかお願い!協力してほしいことがあるんだけど・・・・・・」
季節は冬、12月だった。雪も少しずつ舞い始めた頃の話・・・・・・本日最後の授業を終え、帰ろうというところだった
私、和泉ほのかは親友の亜佐美に話しかけられた。亜佐美からお願いなんて珍しいなあ
ほのか「どうしたの、亜佐美?」
なにか恥ずかしそうな様子で、こっちを向いている。あんまり他には聞かれたくない様子で、私に顔を近づけ小声で話し出す。
亜佐美「ほのかってさ・・・・・・駿君と幼馴染だったよね?」
ほのか「そうだよ。幼稚園からの。それがどうかしたの?」
駿は確かに私の幼馴染だ。子供のときは一緒によく遊び、小学校と中学校も一緒だった。家がお互い近いということもあって、2人で登校したりもしていた。
亜佐美「あのさぁ・・・・・・駿君って、その・・・・・・彼女とか・・・・・・いるのかな・・・・・・ていうか、ほのか付き合ってるの?」
ほのか「え?違うよ。駿は本当にただの幼馴染だよ。それよりもしかして、亜佐美って駿のことがす―――」
亜佐美「ちょ、ちょっと!そんなはっきりと言おうとしないでよ!」
周りの目を気にして、慌てる亜佐美。そうか、駿を好きなんだ。駿はなんだかんだかっこいいからなぁ・・・・・たぶん、亜佐美のように私と駿が付き合ってるように見えるから、他の女の子は誰も声をかけないのだろう。同じ理由・・・・・・かどうかはわからないけど私も彼氏はいない・・・・・・
顔が真っ赤になった亜佐美に声をかける
ほのか「いいよ。協力してあげる。」
亜佐美「ほんと!?」
ほのか「うん!とりあえず私と一緒に帰ろう」
私と亜佐美は、バッグを持ち靴箱まで移動した。今日は駿と一緒に帰ることになっていたのだ。それを告げずに亜佐美を連れて行く!
これは驚くだろう
亜佐美「どうしたの?帰ろうよ?」
ほのか「ん?ちょっと待ってて」
靴箱の前で私は止まった。
駿「ごめんなほのか、お待たせ」
亜佐美「え!?」
駿が待ち合わせの場所まで歩いてきた。突然、駿を見た亜佐美は驚きを隠せないようだ・・・・・・
ほのか「ううん。全然待ってないよ。」
駿「それは良かった。隣の子は?」
亜佐美のほうを見て、ほのかに問いかけた。亜佐美が緊張でビクッとなるのが見えた。
ほのか「この娘は、白川亜佐美。私の親友だよ。前に話したことあるよね?バスケ部のエースだよ」
亜佐美「は、はじめまして!」
駿「ああ、君が亜佐美さんか。水谷駿です。よろしく。」
笑顔で駿が亜佐美と握手しに行く。亜佐美も着けてた手袋を一瞬で取り、手を差し出した。
ほのか「それと、私これから茶道部の集まりがあることすっかり忘れてて・・・・・・ごめん一緒に帰れないんだ。」
亜佐美「ふえぇ!」
変な声を出す亜佐美。ふえぇ!はないでしょ。
ほのか「亜佐美と一緒に帰ってくれないかな。家も2人とも同じ方向だよ。」
駿「そうなんだ。じゃあ、また今度な。」
ほのか「うん・・・・・・ごめんね。バイバイ亜佐美。また明日!」
亜佐美「う、うん」
私は茶道部に行く振りをした。茶道部であるのはもちろん間違いないが、用事なんてない。
駿「帰ろうか亜佐美さん。あいつ忘れっぽいんだ。」
笑顔で話しかける。忘れっぽいって何よ!
亜佐美「あ、あの・・・・・・亜佐美でいいよ!」
駿「ほんと?じゃあ俺も駿でいいから。」
亜佐美「駿は、サッカー部だったっけ・・・・・・?」
駿「ああ、よく知ってるね。ほのかから聞いた?」
―――。うん。まあ駿は気さくな性格だし、亜佐美も緊張してただけで明るい娘だから問題ないでしょ。
~その日の夜~
ピンポーーーーン。家のチャイムがなった。誰かと思い出てみると、亜佐美がいた。
ほのか「ええ!この寒いのに良く来たね。」
亜佐美「ほのかぁ~!話たいことがたくさんあるよ~!!」
ほのか「わかったから!」
なにか興奮してるなぁ・・・・・・とりあえず部屋まで連れて行こう。
亜佐美「ああ・・・・・・!駿、超かっこよかった・・・・・・!話しやすいし、優しいし!」
幸せそうな顔をして、話す亜佐美。
ほのか「まあ、駿は人見知りとかないからね」
亜佐美「それに、それに、サッカーでは1年生のときからレギュラーだったんだって!」
ほのか「いや、知ってるよ。」
亜佐美「ねえ!駿ってどんな娘が好きなのか聞いといてよ!」
ほのか「ええ~~~。なんか恥ずかしいなぁ、改めて聞くの」
亜佐美「お願いします!」
パンっと両手を合わせて、お願いしてくる亜佐美。
なんか嫌だな~~~~~
ほのか「自分できけえぇ・・・・・・」
亜佐美の両手を掴んで、無理やり手を引き離そうとした。
亜佐美「お願いぃ!」
亜佐美はやっぱり力が強いなぁ・・・・・・動かない。
ほのか「はぁ~もうわかったよ。明日登校するときに聞いてとくよ。」
亜佐美「なに!?明日一緒に行くの?」
亜佐美が驚いて、そしてうらやましそうに声を出す。
ほのか「うん。テスト期間中で今、朝練とか無いらしいから。」
亜佐美「何でだまってたのよ、この!」
ほのか「くっ!」
亜佐美の伸ばした手の私は反応して、組み合った。何となくこうしてくる気がしたのだ。
亜佐美「あと2つ・・・・・・きいてほしいことが・・・・・・」
ほのか「だ・・・・・・め・・・・・・!」
私は亜佐美の体に体重を一気にかけ、組み伏せた。力が無くても体重をうまく使えば組み伏せられる。ていうか、亜佐美とはよくこうやってじゃれ合うから、なんとなくわかっていた。
亜佐美「お願い!2つ・・・・・・」
ほのか「だーーーめ・・・・・・」
亜佐美「ああ・・・・・・おねがいぃ・・・・・・」
ほのか「今日は私の勝ち・・・・・・だ~め」
亜佐美「じゃあ・・・・・・1つだけ・・・・・・」
ほのか「しつこい!」
くっそ~。なんか無理やり降参させる技でもあったら、こんなこと言わせないのに。
亜佐美「じゃあ、参ったしないもん!」
ほのか「卑怯者!」
完全に読まれてる。さすが親友。もう、どうしようもない。しかたないなぁ・・・・・・
ほのか「しょうがないなあ・・・・・・あと1つだけ聞いといてあげる。」
亜佐美「じゃあ―――」
~翌朝~
駿「ん?好きな女の子のタイプ?」
ほのか「そうそう」
恥ずかしいよ!何で今さら!
駿「おっぱいが大きい子。」
駿が私の胸見てる気がした。さっと手で覆う。
ほのか「へんたい!」
駿「冗談だって。でもお前昔、巨乳!巨乳っていじめられてたっけ?」
そう・・・・・・昔は、おっぱいが大きいことをすごくいじられていて、嫌な思いもした。駿はそんな私をかばったりしてくれた。まじめな問題になると優しいんだよな
ほのか「そんな時もあったね・・・・・・今は何も問題ないけど」
駿「そっか」
それは良かったと笑う。
駿「それはそうと・・・・・・」
駿は自分のマフラーを取って、私の首に優しく当てて
駿「ほのか、何で今日マフラーしてないの?今日いつもより寒いよ」
ほのか「はは・・・・・・いろいろあってね。朝時間がなかったんだ」
亜佐美がいつまでも家にいるから、寝るのが遅くなってしまった。あいつのせいだ!
ほのか「駿にわるいよ。自分で着けなよ。」
駿「いいって。」
そうこう言いながら、学校に着いた。
ほのか「あ!そうだ。クリスマスにほしいプレゼントってある?」
これが亜佐美から聞くように言われたことだった。サプライズも何もあったもんじゃないが、まあ私がわたすものではないし・・・・・・
駿「そうだなあ・・・・・・いきなり言われても」
もう靴箱に着いた。クラスは別だから、ここでお別れだ。
ほのか「あ。マフラー返すね」
駿「ん。あげるよ、それ。」
ほのか「え?いいの?」
駿「その代わりマフラーが欲しいな。交換だ」
ほのか「あ・・・うん・・・・・・?」
駿「じゃあな。楽しみにしてる」
ん~~~~~?これはいのかな?
~教室~
亜佐美「ええ?巨乳!?」
ほのか「うん。冗談だっていってたけど・・・・・・
亜佐美「ごまかされてるじゃない!」
ほのか「うるさい!だから自分で聞けとあれほど」
朝からうるさいな~~~~~どんだけ、元気なの?
亜佐美「で、クリスマスは何が欲しいって?」
どうだろう・・・・・・これは・・・・・・でも・・・・・・
ほのか「マフラーだって。」
亜佐美「へ~昨日してたのにね。」
新しいのが欲しいってことかな。と、勝手に納得する亜佐美。
亜佐美「まあ、いいっか・・・・・・それよりさあ、今日の帰りは―――」
ほのか「あ、今日は私一緒に帰れないよ。」
亜佐美「え?」
ほのか「いや、今日は本当に用事で。だから駿は自分で誘いなさい―――」
亜佐美「ちょっと~なんとかしてよ~~~~」
むかっ!
ほのか「あああ!昨日だってあいつに忘れっぽいやつとか言われてんのよ!!今朝は寝坊するし!」
亜佐美「わ、わかったわよ・・・・・・」
ほのか「わかったら、さっさと誘う。ほら行った。」
てくてくと歩いていく亜佐美。まあ、それでいいだろう。
茶道部の教室は2階・・・・・・今日もそこに用事がある。2回の窓から外が見えた。ちょうど駿が帰っている・・・・・・それと亜佐美も。
ほのか「・・・・・・・・・・・・・」
あれ?
なんだか・・・・・・いやだな・・・・・・胸が痛い。いつも駿の隣は私のはずだったのに・・・・・・
ほのか「なんでだろう・・・・・・」
~次の日~
ほのか「え?今日も駿と帰るの・・・・・・?」
亜佐美「うん。じゃあ、もういくね」
ほのか「う、うん。」
亜佐美「あとさあ、明日もうクリスマスでしょ?私、マフラー編んだの。明日」
ほのか「え・・・・・・」
実は、私も編んでいる。だって・・・・・・駿は交換だって言ってたんだもん・・・・・・これはしょうがないよね・・・・・・
亜佐美「明日彼にわたす前に、ほのかの家に持っていくからさぁ、包装手伝ってくれない?どんな飾りがいいかわからないから・・・・・・」
ほのか「う、うん。いいよ・・・・・・」
亜佐美は真剣だ。私の頼ってきたのも、それほど駿のことが好きだからだ。それはよくわかる。親友だから・・・・・・だから・・・・・・邪魔しちゃだめだ・・・・・・
亜佐美「じゃあね。」
ほのか「ああっ・・・・・・!」
止めちゃだめ。でも・・・・・・止めたい・・・・・・行ってほしくない・・・・・・その後、亜佐美と駿が一緒に帰るのを確認してから、1人で帰った・・・・・・
家までがとても長く感じた。
~クリスマス当日~
亜佐美「できたぁ!!」
綺麗に編まれたマフラーに、包装が完了した。マフラーの色とかは、全部駿から聞いていたようだった。駿の好きな緑が使われている・・・・・・編むのも大変だったと思う
ほのか「やったね!」
うれしいようで・・・・・・悲しい・・・・・・
亜佐美「最後に悪いけどさ、駿に19時に学校に来るように電話してくれない?私番号知らなくて」
ほのか「う、うん。そうだね・・・・・・」
亜佐美「ああ・・・・・・喜んでくれるかな・・・・・・?」
ほのか「きっと・・・・・・大丈夫だよ」
楽しみにしている亜佐美の顔。本当に楽しそうだ。
そうしている間に、駿と電話が繋がった。部屋から出て、電話越しに話す
ほのか「ああ、駿?あのさあ、今日19時に学校に来れる?」
駿「19時ね。ああ、大丈夫だよ。」
ほのか「そう・・・・・・じゃあ、ね・・・・・・」
駿「待って、ほのかが来てくれるんだよな。」
うっ・・・・・・と息が詰まるほのか。行きたい・・・・・・自分で編んだマフラーを持って、駿のところへ・・・・・・
行きたい・・・・・・
ほのか「どうかな・・・・・・?」
ごまかす風に笑いながら言ってみる
駿「はは。どうなんだよ」
ほのか「とにかく!・・・・・・学校に来てね・・・・・・おねがい」
駿「りょーかい」
ほのか「じゃあ・・・・・・またね」
駿「ああ、またな。」
ぷつっ。
ぽた・・・・・・ぽた・・・・・・電話に涙が零れ落ちた。
ほのか「え・・・・・・?」
何これ?涙が勝手に・・・・・・出てくるよ
ほのか「駿・・・・・・」
しばらく、外で涙が止まるまで待つほのか・・・・・・
亜佐美「ほのか~~~~~~」
部屋の中から亜佐美が呼ぶ。行かなきゃ。
ほのか「何?」
亜佐美「私、そろそろ行くね・・・・・・」
ほのか「え・・・・・・?」
まだ、16時だった。約束の時間にはまだ早い。
亜佐美「もう・・・・・・帰っていろいろ準備するよ・・・・・・」
ほのか「そ、そうだね・・・・・・早く帰ったほうが・・・・・・いいかもね」
亜佐美「うん・・・・・・」
亜佐美がプレゼントを持って立ち上がる。涙かまた零れ落ちた。明らかに亜佐美に見られた。
亜佐美「帰るから・・・・・・どいて・・・・・・」
ドアは1箇所しかない。その前に立ち、私は動かなかった。動きたくなかった・・・・・・
亜佐美「ねえ・・・・・・どいてよ」
ほのか「・・・・・・」
亜佐美「ごめん・・・・・・!」
私の体を横に払いのけ、ドアを通過しようとする。
ほのか「待って!!」
亜佐美は私の声を聞かずに、ドアノブに手を掛けようとした。その瞬間、私は亜佐美の腰に手を回し、思いっきり振り回して、亜佐美の体を床にたたきつけた。
亜佐美「はぐっ!」
その亜佐美に飛びつき、取っ組み合った・・・・・・
ほのか「行っちゃ・・・・・・だめええええ!!!!!」
亜佐美「やめて!!私が行くんだから!!!」
ほのか「いやだあぁ・・・・・・!!!駿は私のもんだあああああ!!!!!!」
私と亜佐美のどろどろした戦いがここから始まる。
- 2011/12/25(日) 15:56:00|
- クリスマスストーリー|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0